15冊目

数奇にして有限の良い終末を―I Say Essay Everyday (幻冬舎文庫)

数奇にして有限の良い終末を―I Say Essay Everyday (幻冬舎文庫)

森博嗣氏の日記シリーズ第5弾。最終巻。
氏の日記シリーズは、大のお気に入りであります。何故か好き。
単なる日記として綴られる日々も読み応えがあるけれど、やはり、ところどころ、時に過激な表現で主張される氏の考えが面白い。自分が、知らず知らずのうちに、ステレオタイプな物事の捉え方しかできない人間になっていることを気づかせてくれる。
氏の考えに賛同するかどうかはともかくとして、常識と思われている事柄に、時に懐疑的になってみると、新たな一面が見えてくるものだと知ることができる。
氏の小説の中にもよく現れているけれど、客観性が重要なのよね。どうしても主観的になってしまうのが常ならば、客観性をなくさぬよう、気をつけなければならないのね〜。
私は、わりと客観性はあるほうのように自己分析してますけど。多重人格なので。いっぱいの人格を使い分けて生きているタイプです。犀川先生ほどバラバラの人格を飼っている訳ではないですけれど(笑)
2001年の日記なので、9.11のことが記されていました。少しだけですけれど、政治的アプローチで森氏も語っていたので、ちょっと意外。当時は避けて通れない話題だったのでしょうけど。しかし、建築に携わる者の視点での9.11の話は、興味深かった。
I Say Essay Everydayシリーズ(Eシリーズ)は、これでおしまい。今は、5年の時を経て日記が再開してますし、早速本にもなりました(そして読みました
が、語尾がですます調でなかったり、一人称も「森」ではなく「僕」だったり、何か違うもののように感じてしまう・・・。最初は違和感がありました。慣れましたが。
この話はまた後日。
評価:★★★★★
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